【本革と合皮の見分け方】革の見分けできますか?

今回のテーマは、【本革と合皮の見分け方】についてです。

・革靴の手入れをしようとしたときに本革なのか合皮なのかわからない!
・本革だと思って奮発したのになんか合皮っぽい……
・プレゼントでもらった革が本革なのか確認したい!

というような、本革なのか合皮なのか見分けたいときがたまにありますよね?

本革なのか合皮なのか確認して疑念を解消してしまいましょう!

それでは早速、本革と合皮の見分け方を1つずつ確認していきます。

1.はじめに

はじめにお伝えしておきます……
技術がものすごく進歩しているおかげで、パッと見では本革と合皮を見分けるのが非常に難しくなっています。

最も確実なのは購入するときに、

・表示ラベルを確認する
・信頼できる店員さんに確認する

ということです。

今後は購入する前の確認を重視するようにしてみてください。

ということで、ここでは購入後に自分で本革か合皮かを見分ける方法をご紹介していきます。

2.本革と合皮を見分ける方法

1)品質表示タグやラベルで見分ける

品質表示について記載されているタグやラベルがついている場合には、その品質表示をチェックしてもらうのが簡単かつ確実です。

a)日本語表示のタグやラベル

〈革の表示〉
天然皮革…牛革、馬革、豚革、鹿革、羊革、やぎ革など
合成皮革…合成皮革、基材が特殊不織布以外のもの
人工皮革…人工皮革、基材特殊不織布

〈底材の表示〉(靴の場合)
天然ゴム、合成ゴム、2つを混合したゴム…ゴム底
合成樹脂、合成樹脂とゴムの混合したもの…合成底

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b)図表示のタグやラベル


靴の場合、左記のような表示を見たことはありませんか?

欧州皮革産業界の規定に当てはまることを意味するもので、どの部分が、どの素材が使用されているのかを表しています。

表示は左側に「甲部の素材」、「裏の素材」、「底の素材」と各部分を太線と矢印で示しています
そして、右側に記号のようなマークを表示することで各部分の素材を示しています

c)マークの意味合い


皮革」であることを表しています。

「動物本来の繊維組織を持ったままを皮をなめした革で、表面の仕上げ膜層が0.15mm以下である」という欧州皮革産業界が規定した定義に当てはまることを意味しています。



エナメルなどの「加工された革」であることを表しています。

定義上は「他の素材を張り合わせたり、コーティングした材料で、膜層の厚さが革の厚さ1/3に達しないが0.15mm以上のもの」となっています。



天然繊維」や「合成繊維の織物」、「不織布」であることを表しています。


「ゴム」や「プラスチック」など、「その他の材料」であることを表します。

2)表面で見分ける

表面を注意深くチェックすることで毛穴やしわを確認してみます。

【本革】

本革の場合、プツプツとした小さな毛穴を確認することができます。
また、動物の皮膚のしわは自然な不規則模様となります。
例えば、赤丸の水ぼうそうの痕のような、生きていた動物の皮ならではの痕があったりします。
【合皮】

合皮の場合、天然の革に似せて作った人工素材なので毛穴はなく、表面の凹凸にすぎません。
また、しわが規則的な模様となることが多いです。

ただし、本革でも加工の仕方によっては毛穴が見えにくくなってしまっており、確認できない場合もあります。
また、しわについても、本革に型押しを施している場合には本革でも規則的な模様になってしまいます。

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3)折り曲げて見分ける

折り曲げてチェックすることで毛穴やしわの様子を確認してみます。

【本革】


本革の場合、表面を折り曲げることによって毛穴や銀面の模様がわかりやすく出てきます。
また、自然な細かなしわが出てきます。
【合皮】


合皮の場合、表面の凹凸が伸びるだけだったり、毛穴の底が見える場合があります。
また、しわがでにくかったり、不自然な大きなしわが出ることが多いです。

4)断面で見分ける

断面をチェックすることで布地や境目の有無を確認してみます。

【本革】


本革の場合、動物の細い繊維質と太い繊維質が網状に絡まり合ってできています。
そのため、断面を見ると連続した層や繊維質の毛羽立ちが確認できます。
【合皮】


合皮の場合、布地や不織布をベースにして表面に合成樹脂を塗布して作られています。
そのため、断面から見ることで布地や合成樹脂の境目を確認することができます。

※サンプルでは断面が薄すぎてよくわからなかったので裏面も載せています。

5)においで見分ける

においをチェックして革の独特なにおいを確認してみます。

【本革】
本革の場合、動物の皮をもとになめして作られているため革の独特なにおいがします。
【合皮】
合皮の場合、人工素材からできているためほとんど無臭だったり、うっすらビニールのような人工素材のにおいがします。

6)擦れた部分で見分ける

擦れた部分をチェックすることで布地の有無を確認してみます。

【本革】

本革の場合、染料や顔料などの染料を用いて仕上げているため擦れた部分は色落ちするだけで、内側から革が表出します。
【合皮】

合皮の場合、擦れた部分の樹脂が剥がれたりしてベースとなる布地を確認できる場合があります。
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7)傷をつけて見分ける

目立たない場所に爪で軽く傷をつけて様子をみてみます。

【本革の】

本革の場合、傷がつきやすく痕が確認しやすいです。
爪でひっかいた箇所がめくれあがっているという印象です。
【合皮】

合皮の場合、傷がつきにくく痕が確認しにくいです。
爪でひっかいた箇所がへこんでいるような印象です。

8)クリームを塗って見分ける

クリームを塗ることで様子を確認してみます。

【本革】

本革の場合、革がクリームをまんべんなく吸収している様子が確認できます。(特に傷をつけた箇所)
また、黒色のクリームを使用することで、小さな毛穴が自然な状態で存在することをより確認しやすくなりました。
【合皮】

合皮の場合、人工素材のためクリームが吸収されることはないので、表面にのっているだけという様子が確認できます。
また、黒色のクリームを使用することで、毛穴がなく表面の凹凸しかない様子がより確認しやすくなりました。

※サンプルでは確認しやすいように、あえて黒色の靴クリームを使用しています。

9)濡らして見分ける

少量の水を垂らしてみて様子を見てみます。

【本革】

本革の場合、濡らすと吸収されやすくしっとりした様子が確認できます。
【合皮】

合皮の場合、吸収されにくく表面で弾かれている様子が確認できます。

水を垂らして同じ時間をおきましたが、本革の方が吸収されて水が減っていることを確認できますね!

10)燃やして見分ける

一部分だけ燃やしてみることで燃え方を確認してみます。

【本革】


本革の場合、耐熱性が高いためなかなか燃えず少し焦げたような感じになります。
【合皮】


合皮の場合、合成樹脂などの人工素材が溶け、布地がしっかりと燃えます。

※水を用意してしっかりと安全対策をした上で検証しております。

3.おわりに

以上、本革と合皮の見分け方についてでした。

使っている物が本革か合皮か分からないという方は、上記の方法を試してみて総合的に判断してみて下さい!
なお、一部製品を傷つけてしまう見分け方もあるので、自己判断・自己責任でお願いします。

いろいろ本革と合皮の見分け方についてご紹介しましたが、結局のところは購入前のチェックが最も確実かつ簡単です。
購入してから違ったというのではショックが大きいので、購入前のチェックをしっかりするようにしましょう!

★Break Time★

今回のサムネイル(アイキャッチ画像)のテーマは、【ストッキングの日】です。

5月15日はストッキングの日とのことです。
日本が独占していたストッキング市場ですが、1940年の5月15日に、アメリカのデュポン社がナイロン・ストッキングを発売したことで市場を奪われてしまったようです。

僕はストッキング履かないのでナイロン・ストッキングがいいのかわかりません。
市場を取られてしまったのは残念ですね!

最後まで読んでいただきありがとうございました!