【靴の製法】靴の底付け製法の種類 まとめ!

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今回のテーマは、【靴の底付け製法の種類】についてです。

靴の製法まで気にされている方は少ないのではないのでしょうか?

靴は底付けの製法によって、耐久性や耐水性、歩行による疲労感などに影響を与えます。

いつも歩行によって疲れを感じるなぁ……
という方は試しに靴を替えてみることで解決するかもしれませんよ(^^)/

ここでは代表的な靴の底付け製法の種類とその特徴をご紹介していきます。

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1.靴の底付け製法の概要

靴の製法は大きくわけて

・糸で縫い付ける製法
・のりで貼り付ける製法
・糸+のりで付ける製法
・一体成型する製法

の4種類に大別されます。

1)糸で縫い付ける製法

甲革から本底まで糸で縫い付けをする方法です。

代表的なのは「グッドイヤー・ウェルト製法」や「マッケイ製法」と言われる種類です。

特に、ウェルト製法は甲革と本底を直接繋げることはなく「ウェルト」と呼ばれる細い革を甲革・中底・本底の仲介させる方法です。

2)のりで貼り付ける製法

糸を使わずに接着剤を使用する方法です。

代表的なのは「セメント製法」などです。

3)糸+のりで付ける製法

糸と接着剤を共に使用する方法です。

代表的なのは「ステッチダウン製法」などです。

4)一体成型する製法

自動の靴製造機を用いて、ソール作りと底付けを同時に行う方法です。

代表的なのは「スラッシュ製法」などです。

関連記事【ソールの種類】靴底の素材・種類 まとめ!
関連記事【靴底の手入れ】革底(レザーソール)の磨き方・手入れの仕方!

2.靴の底付け製法の種類

〈事前の用語確認〉
・甲革…アッパー
・裏革…ライニング
・中底…インソール
・中板…ミッドソール
・本底…アウトソール
・屈曲性…歩行時のソールの反り返り度合

1)グッドイヤー・ウェルト製法

画像引用:UNION ROYAL
中底の下側にリブと呼ばれる縫い付けるための凸を付けた上で、甲革・中底の下のリブ・ウェルトを縫い付け、その後にウェルトと本底を縫い付ける方法です。
〈メリット〉
・構造上水が浸入しにくい
丈夫で耐久性が高い
・甲革・裏革・本底が直接縫い付けられていないためソールのみ交換が可能
・中物(コルク)が厚めでクッション性が高く、足馴染みがいいため履き心地が良い
〈デメリット〉
・手間のかかるため比較的高価
・構造上重くなりやすい
・造りがしっかりしているため屈曲性が低い

2)ハンドソーン・ウェルト製法

画像引用:UNION ROYAL
中底の下側に切り込みを入れて溝を作った上で、甲革・裏革・中底の溝・ウェルトを縫い付け、その後にウェルトと本底を縫い付ける方法です。

ハンドソーンとは手縫いを意味しており、グッドイヤー・ウェルト製法の手製版というイメージです。

〈メリット〉
・手製のため機械では対応できないことに柔軟に対応できる
・造りがしっかりしているため耐久性が高い
・リブを使わずウェルトと中底を直に縫い付けるため、グッドイヤー・ウェルト製法より屈曲性が高い
・甲革・裏革・本底が直接縫い付けられていないためソールのみ交換が可能
〈デメリット〉
・手製のため手間がかかり高価

3)マッケイ製法

画像引用:UNION ROYAL

中底と本底の間に甲革と裏革の端を折り込むような形で縫い付け、甲革・裏革と本底を直接縫い合わせる方法です。

〈メリット〉
・構造がシンプルなため手間がかからず比較的安価
・屈曲性が良く歩きやすい
・”ウェルト”を使用しないためスタイリッシュなデザインになる
〈デメリット〉
・構造がシンプルなためクッション性が低く長時間の歩行に向かない
・構造がシンプルで耐久性が低い
・縫い目から水が浸入してきやすい
・甲革・裏革・本底が直接縫い付けられているためソールのみ交換に向かない

4)ボロネーゼ製法

画像引用:UNION ROYAL
ボロネーゼ製法は”ボローニャ製法”と呼ばれることもあります。

マッケイ製法に似たような方法で、靴の内側で甲革・裏革・本底をまとめて直接縫い付けます。(接着剤で貼り付ける場合もあります。)
ただし、靴の前半部分の作りに違いがあります。

〈靴の前半部分〉
・甲の部分:裏革を袋状に形成した後に表革を纏わせます。
・底の部分:中底を使わず裏革を使用します。
〈靴の後半部分〉
その他の製法同様に、底に中底を使用することで歩行時の衝撃を緩和しています。
〈メリット〉
・甲が袋状でソールの屈曲性がいいため履き心地が抜群
〈デメリット〉
・構造がシンプルで耐久性が低い
・縫い目から水が浸入してきやすい
・甲革から本底まで直接縫い付けられているためソールのみの交換に向かない

5)ノルウィージャン・ウェルト製法

甲革・裏革・中底・L字型にしたウェルトを縫い付けた後、ウェルトと本底を縫い付ける方法です。
〈メリット〉
・構造上水が浸入しにくい
・構造上丈夫で耐久性が高い
・甲革・裏革・本底が直接縫い付けられていないためソールのみの交換が可能
〈デメリット〉
・手間がかかるため比較的高価
・造りがしっかりしているため重くなりがち
・屈曲性が低く固め

6)ノルウィージャン製法

甲革・裏革・中底を縫い付けた後、外側に折り返した甲側と中板を縫い、さらに中板と本底を縫い付ける方法です。

ノルヴェジェーゼ製法などと呼ばれることもあります。

ウェルトを使用せずウェルトの代わりに甲革を外部に折り曲げている点でノルウィージャン・ウェルト製法とは異なります。

〈メリット〉
・構造上水が浸入しにくい
・構造上丈夫で耐久性が高い
・甲革・裏革・本底が直接縫い付けられていないためソールのみの交換が可能
〈デメリット〉
・何度も縫って縫って縫うため手間がかかり高価

7)セメント製法

甲革・裏革・中底・本革をのりで接着する方法です。

セメンテッド式やセメント式などとも呼ばれます。

〈メリット〉
・糸を使用しないため水が侵入しにくい
・大量生産が可能なため安価
・構造がシンプルなため屈曲性が良く歩きやすい
〈デメリット〉
・通気性が悪く蒸れやすい
ソールのみの交換には向かない

8)ステッチダウン製法

甲革の端を外側に向け、甲革・中板を縫い付けた上で本底と接着する、もしくは、甲革・中板・本底を縫い付ける方法です。
〈メリット〉
・構造がシンプルなため屈曲性が良く歩きやすい
・縫い付けが外側で行われているため水が浸入しにくい
〈デメリット〉
・甲革・本底まで直接縫い付けられている場合には、ソールのみの交換に向かない

3.グッドイヤー・ウェルト製法とマッケイ製法の見分け方

様々な種類の底付け製法の中でも特に代表的なグッドイヤー・ウェルト製法とマッケイ製法の2種類の底付け製法の見分け方についてまとめます。

両者の大きな違いは、糸で縫い付けている部分が靴の外側なのか内側なのかという点です。
よって、靴の中を確認することで2種類の製法を見分けることができます。

【グッドイヤー・ウェルト製法】
画像引用:UNION ROYAL
グッドイヤー・ウェルト製法の場合、靴の内側を確認しても縫い付けられいる糸は確認できません
【マッケイ製法】

画像引用:UNION ROYAL

マッケイ製法の場合、靴の内側を確認するとマッケイ糸が確認できます

4.おわりに

以上、様々な種類の靴の底付け製法についてでした。

製法の種類によって長時間歩行に向いていたり、耐水性や耐久性に優れていたり、ソールの交換に向いていたりと様々ということが確認できましたね!

靴を選ぶ際には見た目だけでなく、底付け製法の種類にまでこだわってみてはいかがでしょうか?(^^)/

靴を選ぶ時の参考にしてみてください!

★Break Time★

今回のサムネイル(アイキャッチ画像)のテーマは、【お茶漬けの日】です。

5月17日はお茶漬けの日らしいです。
永谷園創業者の先祖である永谷宗七郎の命日であり、永谷園が2012年に制定したとのことです。

お茶漬けは、朝によく助けられていますね!
どんぶりをもって口にかきこむ様は、日本人でよかったとすら感じます。

お茶漬けありがとう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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