【なめしの基礎知識】なめし革とは?鞣しの種類って?

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今回のテーマは、【革のなめし〔鞣し〕】についてです。

以前のアッパー素材に関する記事で一瞬触れました、「皮」から製品として使える「革」へと変化させる際に、非常に重要な工程である「なめし〔鞣し〕」について少し掘り下げていきます。

「革」の特徴は「どの動物の皮を原料にしているか」だけで決まるのではなく、「革」に変化させる過程で「どんななめし方をしたのか」ということも大きな影響を受けます。

より一層レザーライフを楽しむために、なめし〔鞣し〕の種類や特徴について知識を深めていきましょう(^^)/

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1.「なめし〔鞣し〕」とは?

「なめし〔鞣し〕」とは、剥ぎ取った動物の「皮」を製品として使用できる「革」へ処理する工程を指します。

剥ぎ取ったままの動物の皮はそのまま放置していると、硬くなったり、腐ったりしてしまいます。
そこで、腐敗を防ぐために「なめし〔鞣し〕」という作業をすることになります。

なめし〔鞣し〕の作業というのは、簡単に言うと、動物の皮から体毛や皮下脂肪などを除去し、コラーゲン繊維になめし剤を浸透させます。
さらに、柔らかくするために合成の脂を再度加えるという作業をしていきます。

その結果、製品として使用できる柔らかくて腐敗しにくい「革」へと変化するのです。

2.なめし〔鞣し〕の種類

なめしの方法は様々な種類があります。

ここでは、現在の代表的な3種類のなめし方である、

植物タンニンなめし
クロムなめし
混合なめし

についてご紹介していきます。

1)植物タンニンなめし

植物タンニンなめしとは、天然植物の樹皮、木、葉、果実などから抽出した”タンニン”をなめし剤として用いる方法です。

〈主な特徴〉
・なめすのに非常に手間と時間がかかるため、コストがかかり比較的高価
・柔軟性が低く、革の仕上がりが硬い
・自然な風合いを楽しむことができ、使うほど味わい深く経年変化を楽しめる

主な用途 | 靴のソール、中敷き、ベルトなどに

タンニンなめしの画像だけではクロムなめしとの違いがわかりにくいかもしれませんので、タンニンなめしを活かした加工法であるヌメ革製の名刺入れの画像も載せてみます!

関連記事革の加工・仕上げの種類

2)クロムなめし

クロムなめしとは、”塩基性硫酸クロム塩”という化合物をなめし剤として用いる方法です。

植物タンニンなめしと比較すると、安価で製品に用いられやすい特徴をしているため、現在主流のなめし法となっています。

〈主な特徴〉
・短期間でなめすことができ、コストを抑えられるため比較的安価
柔軟性が高く、耐熱性も高い
・変色や劣化が少なく、メンテナンスもそれほど必要ないため、経年変化を楽しみにくい

主な用途 | 靴のアッパー、バッグ、小物など

3)混合なめし(コンビネーションなめし)

植物タンニンなめしとクロムなめしを組み合わせたなめし方法です。

〈主な特徴〉
・植物タンニンなめしとクロムなめしの欠点を補って、両者の特徴をもっている
・植物タンニンなめしのような風合いを低コストで実現できる
柔軟性や耐久性が高い

植物タンニンなめしとクロムなめしの欠点を補ったなめし法という特徴を活かして、幅広く様々な用途に用いられています。

4)3つの代表的ななめし〔鞣し〕のまとめ

革と言っても、なめし法の違いによって革の特徴に違いが出ます。

例えば、
タンニンなめしの革の場合には硬さを活かして、靴のソールなどに用いられます。
クロムなめしの革の場合には柔軟性の高さを活かして、靴のアッパーなどに用いられます。

3.おわりに

以上、革のなめし〔鞣し〕についてでした。

どの動物の皮を使用するかということだけではなく、なめし〔鞣し〕方の違いによっても革の特徴が大きく違ってくなんて革の世界は奥が深いですよね!

個人的には、革の一番の良さだと思っている経年変化(エイジング)を楽しむのが大好きなので、植物タンニンなめしによってなめれた革が好みです(^^)/

みなさんも革の特徴について知識を深めて、自分好みの革を選んでみてはいかがでしょうか。

この他、なめした後の革の加工の仕方も様々ありますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!

★Break Time★

今回のサムネイル(アイキャッチ画像)のテーマは、【メイストームデー】です。

5月13日は、メイストームデー(5月の嵐の日)ということです。

メイストームデーは、別れ話を切り出すのに最適な日とか、別れ話を切り出していい日などとされているそうです。

不吉な日ですね~(笑)
確かに、空の様子をみると、曇ってて不吉な感じがします……
いくつもの別れを示唆しているような曇天です。

とりあえず、何をもって「最適」なのかよくわかりませんが^-^;

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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